2010年 08月 06日
プログレの人気バンドであるキャメル、歌も歌えるバンドなのに あえてインストだけで作った『スノーグース』は不思議なアルバムである。 キャメルのこのアルバムをプログレとジャンル分けするのは適当でないかもしれない。 確かに有名な物語をコンセプトの下敷きにし、全曲ノンストップ構成、インスト・・・とくれば、 プログレの気配が感じられるのは無理もない。 ましてや他のアルバムではプログレ的な音楽を演奏してるバンドである。 リリカルで優しく美しいメロディを淡々と演奏していく。 本当に淡々と。 超絶技巧や激しい楽器同士のぶつかり合いはない。 オーケストラの楽器が入るものの、アレンジが複雑というほどではない。 歌のない歌謡曲? 最初の印象はそれだ。 「この音は、歌のない歌謡曲とどう違うんだ?」 ぼくは考えた。 これはプログレなのか?そもそもロックなのか? イージーリスニングか?劇伴音楽なのか? そう!もはやジャンル分けは意味がない。 キャメルのメンバーもこの音にたどり着くまで相当悩んだんじゃないか? ちょっと難しいことやったほうが、いいんちゃう? とか もっと仰々しくやったほうが、それっぽいんじゃない? とか・・・ でもこのシンプルな、出たまま音にしましたというピュア感を大事にした音。 その音をレコーディングした。 これはこれで勇気いるよなあ。 でも当時のロックファンは理解した。かなり売れたんだなあ、このアルバム。 この牧歌的な優しさと英国紳士の渋さを備えた『スノーグース』。 そんな音楽に対して、でもなんでこのジャケット、イラストレーションなんだろうね。 悪くはないけど・・・。 もちょっと絵本的な柔らかさがあってもいいのと違う? スノーグースがちょっとメタリック的ですよ、このイラスト。 アンソニー・フィリップス『ザ・ギース・アンド・ザ・ゴースト』のジャケのようでもよくない? いろいろな疑問をぼくは抱き、でもこの奇跡的なアルバムを夏の朝、車を走らせながら聴く。 そんなことを書いていて、 ふとポール・ギャリコの寓話『スノーグース』に触れないのはマズイんじゃない!ということで、 まったく知らないので、この作品ってどんな内容なの?ってPCで検索。 「な~るほど、そんな話かあ。絵本版があるんだ・・・・表紙の絵、気になるなあ・・・・ いい絵だ・・・・・なんか見たことあるぞ ・・・・・・あれっ?・・・・・持ってたりして・・・・・持ってるわ、この絵本・・・・」 そういえば、買ったはいいけど、ずっと読んでなかったぞい。 今週末読んでみよっと。
by gwingermau2
| 2010-08-06 19:25
| プログレ名盤
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