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プログレッシヴロックバンド " MAU2/マウマウ " のオフィシャルブログ
2014年 01月 31日
MIXの白井氏に聞く vol.3(最終回)
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G;なるほど。では、今回アルバムには4曲が収録されてまして、それぞれ難しさはあったと思いますが、各曲について印象とか苦労した点は?

S;そうですね。全体的な話だとまずドラムですごく苦労しました。エディットが荒い部分がありまして(笑)・・・。繋ぎがうまくいってなくてプチッてノイズが入ってたりとか・・・。あとは、ドラムっていろいろなマイクを立てて録るわけですが、例えばスネアの音を録っていてもそれ以外の音が入るじゃないですか。タムやトップ・シンバルなんかも・・・。自分の場合はナチュラルなMIXっていうのははあまりうまくできなくて、良し悪しなんですが、ぼくは”かぶり”を少なくしたいタイプなので、”かぶり”を消していきました。具体的には、ゲートは使わず、ヒット部分以外の余分な波形を切っていっちゃう作業を地道に繰り返していきました。

G;それってものすごい作業でしたよね?

S;そうですね(笑)。『アナザー・ヘヴン』なんかはすごかったですねえ~。『アナザー・ヘヴン』はドラムが2セット分あったんで・・・。まずスネアを・・・。ぼくはスネアの音を加工しちゃう人なんで、スネアに他の音が入ってるとスネアの音自体が変わっちゃって難しいんですよね。で、かぶりの音は全部カッカッと切っていったり・・・。あとは意図的ではない打ち損じ部分とか歪んでる部分は差し替えました。

G;他のパートは?

S;う~~ん、ベースですかね。『アナザーヘヴン』のベースの音創りで心が折れかけてた時(笑)に、西口さんからいろいろお願い事項があって、そのアドバイスの結果、いい音になったんで、それはすごく有難かったですね~(笑)。他、キーボードはいままでのぼくのやり方だと全部聴こえるようにしたかったんですが、ごちゃってしないよう分離をうまく聴かせたいということで結構すっきりさせちゃうんですが、それで苦情こないかなっ?(笑)とか思ってましたが、それは以外に少なかったですね・・・。

G;ギターは同業者としてどうでしたか?

S;やりやすかったです。西口さんの音は確立されてて、ほとんどいじる部分はなかったですね。自分にない音をたくさん弾いていらっしゃったんで、そこをどう出すかっていうことを考えました。西口さんと高嶋さんのプレー・スタイルは違ってて、音も違いますし、高嶋さんのギターをどう出すかっていうことをすごく考えました。

G;埋もれないようにするってことですか?

S;そうですね。どううまくカッコ良くだしていくか、すごく良いフレーズをたくさん弾かれているんで、埋もれず出すぎずって感じをどう出すかってことが苦労しました。どうしても音の勢力争いってことになると、高嶋さんの音だけ浮いてしまって・・・。そこをどうするかと。

G;その辺は白井さんがギタリストだからわかってて、うまくMIXされたかなと。埋もれやすい部分を拾っていただいてるんで、今まで聴こえなかった部分が聴こえるようになったって部分はいろいろありますしね。

S;他、1stを聴いた時に思ったんですが、ヴォーカルが線が細いなあってことでした。でも実際に生のトラックを聴かせてもらった時にはヴォーカルが太くて、そこがすごく出したかったところです。野太くグッとくる感じを聴かせたかったです。

G;わかりました。2ndについて客観的にはどうですか?

S;、客観的にはなれなくなってますね・・・(笑)。我が子のようにっていうか、LOVEがある感じですね。やっぱり、これだけガッツがあって、音楽性もすごく緻密で、いい意味でラフさもあって、そういうのないんじゃないんですかね。いろんなバンド聴かせていただいてますが、そこが強いポイントだと思います。すごく売れてほしいですねえ。

G;ありがとうございます。そうでもないでしょう(そんなに売れないでしょう)けど(笑)、嬉しく思います。

S;なんか悔しいじゃないですか。以前axisの時に田中さんとも話したんですが、こんなにいいもの作ってるのにって昔言ってましたけど、そういうノリですね。で、他のバンドには無いパワーとか、日本のプログレに有りがちなこぢんまりとした音と一線を画すような音に持っていきたくって、うん、それは何とか実現できたかなあ、と思っています。いやもう、聴き応え満点ですよねえ(笑)。お腹いっぱいになってほしいですよね。

G;わかりました。ありがとうございました。最後になりますが、白井さんの今後の音楽活動のご予定があれば、お知らせください。

S;そうですね、レコーディング業にシフトしていけたらいいなあと思っていて、その準備もしつつ・・・

G;レコーディング業っていうのは、今回のように、MIXをしたり、プレーヤーとして楽器を弾いたり、実際のレコーディングに携わるってことですね?

S;ええ。ただまあ、一朝一夕にはできないので、少しずつ起業資金を貯めながら・・・(笑)。ちょっと音楽活動を休んでいたというかモチベーションが上がらず音楽を作るのをやめていた時期があったので、また少しづつ作っていきたいですね。それを表にどう出すかってことはまだ考えてないですけれど、何か作っていきたいです。

G;なるほど。今後は幅広く音楽をやっていきたいということで、できればMAU2との関係もこれで終わりということではなくて今回が始まりとして、カイドー(西口)も白井さんと一緒にギターを弾く機会があればとか言ってましたし、ぼくらMAU2も当然今後アルバムを作り続けたいとの思いもありますので、何かしらジョイントしてやれれば、と思っています。

S;ええ、ぼくの中で沸々と湧いているのは、レコ発ライブのお手伝いをできないかな?と考えています。

G;おお、それはありがたいですね。今回のアルバムに関しては曲の構成も含め全部わかってらっしゃるんで、参加いただければ非常に有り難いですね(笑)。ただいろいろ問題もありますし、じっくり詰めて考えていただいて・・・。もちろん、ぼくらはウェルカムですよ(笑)。それでは、長いインタビューになってしまいましたが、どうもありがとうございました。

S;ありがとうございます。



インタビューを終えた後、MAU2の新譜『ANOTHER HEAVEN』を皆で聴き、ひとしきり感慨にふける・・・気がつけば当たりは真っ暗。ここは富士山も近い山の中。あわてて三島駅まで移動し、MIXの打ち上げ宴会に突入していきました・・・・

by gwingermau2 | 2014-01-31 12:57 | 2ndレコーディング


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